今、あなたが使っているパソコン(PC)にもう一枚、ディスプレイがあったらいいなぁなんて思ったことはないでしょうか。ディスプレイが複数あると1枚でメイン作業を進めつつ、もう1枚のディスプレイではインターネットブラウザを開きながら調べ物をできます。あるいは、1枚のディスプレイではSNSを開き友達と交流しながら、もう1枚のディスプレイではみたい動画を大画面で見ることだってできます。
マルチディスプレイ(複数のディスプレイを使用する)構成にするとディスプレイ1枚のときのと比べて格段に作業効率が向上すること、間違いなしです。
しかし、いざディスプレイを買うとなるとお金がかかってしまいますし、買ってみて使ったら実際はものすごく不便だった・・・お金かけてディスプレイを買った自分が馬鹿だった・・・なんてことになる可能性だってもちろんあります。
そこで私が今回紹介したいのが無料ソフト(*2016年6月10日現在)「spacedesk」です。SpaceDeskを利用するとメインのパソコン以外に持っている、使っているノートパソコン、スマホ、iPadなどを外部ディスプレイとして認識させ、利用することができます。
*なお、あらかじめ断わっておきますが本記事は動作の成功を保証するものではありませんし、私は英語を読めませんので合ってるかどうかも知らんです。あたなが仮に失敗して何らかの損害を負っても私は何も責任を負いません。
SpaceDeskの特徴
- ノートPCやタブレットPCなどのデバイスを、別のPCのディスプレイとして使用できる。
- 有線LAN、WiFiで接続されたPCであれば接続可能。
- そのため、物理的に接していても、接していなくても利用ができる。
- マウスポインタはカクツクが一般的な動画(1080p 30fps)の再生であれば快適(*私の感想)
つまり押入れの肥やしになっているPCを再利用してお手軽にディスプレイを増設することができるのです。
使い方
今後は、ディスプレイを増やして使いたいと思っているPCをサーバPC、今は使っていないPCをクライアントPCと呼ぶこととします。英語表記は前者がserver、後者がclientとなっています。
必要要件
サーバPC
- windows7をOSとして搭載したPC(設定時のみ要インターネット接続環境)
- KB3033929の更新を行うこと。
- spacedesk drivers for windows Primary PC(server)のインストール
クライアントPC
- サーバPCと同じLAN内に設定されたPC
- 最新バージョンのウェブブラウザのインストール(ただしインターネットへの接続は不要)
- windowsをOSとして搭載したPCであればspacedesk software for secondary machine(client)のインストールでも可能
サーバPCの設定
初めにspacedeskの公式ページにアクセスします。こちらでは簡単な図解を通してマルチディスプレイ時の動作について、直感的に把握することが可能となっています。
まだ、マルチディスプレイってなんぞや?な状態な人は時間をかけて確認してみてください。
左側にあるのがサーバPCです。サーバPCのウインドウが右側のデバイス(クライアントPC)に移動していく様子が見て取れると思います。あるいは、サーバPCの画面がクライアントPCと同期しているのが見て取れると思います。繰り返しになりますが、「spacedesk」はこのようにあいたデバイスをディスプレイとして使用することができます。
1,ソフトウェアのダウンロード
何ができるのか把握できましたら次は画面上部(緑色のバー)にあるDownloadをクリックしてください。
ご自身が使用するサーバPCのOSのバージョンに合わせてspacedesk drivers for windows primary PCをダウンロードします。32bit版であれば「download 32bit」、64bit版であれば「download 64bit」をそれぞれクリックします。(32bit、64bitの確認方法はのちほど記載する予定ですが、予定は未定なの。)
指定したファイルは「spacedesk_32_driver_099v_BETA.msi」、あるいは「spacedesk_64_driver_099v_BETA.msi」として指定したフォルダにダウンロードされます(*2016年6月10日現在)が、まだ起動しないでください。
2,KB3033929のインストール
ソフトウェアインストール前に1つ、やらなければならないことがあります。windows OSの更新で使用されるKB3033929(パッチ)の適用です。詳細は上記画像の「!」の部分に記述されていますがパッチの適用は必須ですので必ず実施してください。
また、通常設定ではwindowsの月例更新に合わせて自動で適用されていると思いますが、仮に適用されていなかった場合にシステムに大きなダメージを与えますので必ず適用されていることを確認してください。ご自身のPCにパッチが適用されているかどうかを確認する方法はこちらを参照してください(のちほど記載する予定ですが、予定は未定なの)。
パッチが適用されていない場合は以下に続いてご自身が使用されているOSのバージョンに合わせ、どちらか1つをダウンロードし、適用してください。
32bitはこちら
64bitはこちら
それぞれクリックすると以下のページに飛ぶと思います。microsoftの公式ページですのでご安心ください。
赤色の背景のDownloadボタンをクリックするとダウンロードが始まります。ダウンロード完了後はこのファイルを起動することでパッチの適用画面に進むことができます(パッチの適用方法は後で記載予定)。
3,ソフトウェアのインストール
パッチの適用が完了したら、手順2でダウンロードしたソフトウェアを起動し、インストール画面へ進みます。
詳細は割愛(笑)しますが、途中表示されるI acccept the agreementのチェックボックスにチェックを入れ、nextをガンガン押してください。途中、次の画像のような表示が出ます。
この場合はインストールをクリックします。所要時間は1分もかからないと思います。あっというまにインストールが完了しますが、最後は再起動が行われるので並列して別の作業を行っている方は注意してください。
以上でサーバPCの設定は完了です。
クライアントPCの設定
1,ソフトウェアのダウンロード
初めにspacedeskの公式ページにアクセスします。そして画面上部(緑色のバー)にあるDownloadをクリックしてください。ここまではサーバPC設定時と同じですが、ダウンロードするファイルが異なります。
spacedesk software for secondary machineの部分を見てください。
上の図のような部分があると思います。クライアントPCではOSのバージョンに制限がありません(*2016年6月10日現在)からこちらのDownloadをクリックすることでインストールファイルをダウンロードすることができます。
また、これらの操作は必ずしもクライアントPCで行う必要がなく、ダウンロードしたファイルさえクライアントPCに移動することが可能であればクライアントPCをインターネットに接続する必要はありません。諸所の経費の都合でインターネットへの接続が躊躇われる場合はサーバPCでダウンロードした対象ファイルを外部メモリに保存し、クライアントPCへ移動してください。
また、より高速、かつ簡単であるLANを通したファイルの移動方法について近々、記載するつもりです(予定は未定だと何回言えば)。
2,ソフトウェアのインストール
ダウンロードしたファイルを起動し、インストールしてください。こちらはI accept the agreementのチェックボックスをチェックし、nextを連打するだけで一瞬で完了しますし、再起動も不要です。
3,クライアントPC側でのソフトウェアの起動
ここまで完了していればデスクトップにspacedesk Personal Viewのアイコンが生成されていると思います。こちらを起動してください。
起動した画面でFile、connectの順にクリックしていきます。
同一LANに所属していて、かつspacedeskのサーバソフトウェアがインストールされているPCが存在すれば「network search」にサーバPCの名前とIPアドレスが表示されているはずです。
表示されていない場合は
- サーバPCでspacedeskがインストールされていること
- サーバPCでspacedeskが起動していること
- サーバPCとクライアントPCが同一LANに存在していること
以上のことを確認してみてください。
正しく表示される場合は、選択した上で、「OK connect!」を押してください。サーバPC側ではコネクタ接続時の「ピコン!」といったサウンドが鳴ります。
4,サーバPC側でのソフトウェアの起動
クライアントPCで正しく設定を完了すれば、通常のディスプレイ接続時と同様の設定になります。
デスクトップの適当な位置で右クリックし、画面の解像度をクリックすることでディスプレイの設定画面が表示されます。
検出をクリックすることで現在接続されているすべてのディスプレイが表示されます。spacedeskで生成したディスプレイは汎用PnPモニタとして表示されています。
こちらの「複数のディスプレイ」の項目で「デスクトップをこのディスプレイに拡張する」を選択すれば完成です。クライアントPCのモニタがサーバPCのディスプレイとして使えるようになったのではないでしょうか。
ただしこのままではクライアントPCの全画面をサーバPCのディスプレイとして使うことはできませんので、クライアントPC側のマウスを操作し、spacedesk personal viewのディスプレイ表示部分をダブルクリックしてください。全画面表示に切り替わり、完全にサーバPCのディスプレイになったのではないでしょうか。
戻したい場合はクライアントPC側でESC(エスケープキー)を押すことで元に戻ります。適当にダブルクリックでも可能。
以上で「spacedesk」の設定は終了です。お疲れ様でした。
使用例について
私はディスプレイ2枚と使っていないノートPC1台を用いたトリプルディスプレイとして使っています。
一番左の小さいデスクトップがspacedeskを用いて作った仮想ディスプレイです。私は自分で撮影した写真の現像のようなことが趣味なのですが、右のディスプレイがサムネイル表示、真ん中のディスプレイが拡大表示、左のディスプレイが調べ物や、動画の閲覧という分担をしています。spacedeskを用いた仮想ディスプレイは通常のディスプレイ程なめらかに使用することはできませんが、現代の一般的な30fpsの動画であればカクツクことはありません。これまでは写真の現像をしながら、動画を大画面で視聴することができませんでしたのでspacedeskの恩恵を受け、より快適なITライフを過ごすことができるようになりました。
spacedeskの今後
現在はβ版ということでサーバ側で使えるOSがwindows7、クライアント側ではwindows環境と限られています。しかし今後、より多くの端末に対応していくことが予想されます。詳しくは公式ページを閲覧していただきたいのですが、来る6月30日には正式版がリリースされる見込みです。これに合わせてクライアント側はウェブブラウザを使うことでディスプレイとして利用できるようになる他、iPhone、android等の環境でも利用が可能になるようです。
皆さんもぜひ、spacedeskを用いて余っているデバイスの有効活用を考えてみてはいかがでしょうか。